FXの歴史を学ぶ~規制・法改正から業界の変遷まで~

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意外と知らない?FX発展の歴史

FXの歴史を学ぶ~規制・法改正から業界の変遷まで~

 

はじネコ
FX業界って今後どうなっていくんだろう…規制の話もあったし…。
せんせえ
そうだね。10倍に規制になる話もあったね。いい機会だし、FXが現在の日本においてこれだけ普及した背景や歴史についても見ていこうか。

 

近年、会社員や主婦、学生などを中心にFXの取引人口が増え、一般の方にとって投資が身近なものになってきました。

しかし、そのFXが今日のように親しみやすく成長した姿になるまでには、様々な歴史がありました。

その歴史は、FXが産声を上げた誕生の時から現在まで、業界が多くの苦難や課題を乗り越えた歴史であるといえます。

日々の取引に励んでいるトレーダーの方も、FX業界の歴史については意外と知らない方が多いのではないでしょうか。

今回は、FX業界が誕生してから、多くの問題を乗り越えて発展し現在に至るまでの歴史を紹介するとともに、業界の現状と今後について考察いたします。

外為法改正、日本で初のFXが始まる

1973年 変動相場制へ移行
1990年代中盤 米国で世界初のFX取引がスタート
1998年4月 外為法の改正
1998年10月 日本初のFXサービス「マージンFX」がスタート

それでは、少し歴史を遡り、戦後の固定相場制から変動相場制への移行、外為法が改正され日本でFXサービスが開始されるまでの歴史を振り返ってみましょう。

変動相場制への移行と外為法の改正

昔は、国同士の為替レートが一定である固定相場制の時代で、米ドルと日本円も1ドル=360円のレートに決められていました。

しかし、戦後、日本の高度経済成長をはじめ各国の経済力が変化を遂げる中で、固定された為替レートを維持し続けるのは困難となりました。

そこで、1973年に日本を含む先進国が、通貨レートがその時々の経済や景気の動向を反映して変化する変動相場制に移行したのです。

変動相場制へ移行したことにより、通貨交換レートの変動を利用して為替相場で利益を出すことができるようになりました。

これを受けて1990年代中盤には、アメリカで世界初のFX取引がスタートしたのです。

しかし、その頃の日本では、まだ一部の金融機関しか為替取引が認められておらず、一般のFX取引はできませんでした。

日本で最初のFXがスタート

その後1998年になって外為法(外国為替及び外国貿易法)が改正され、一般の企業や個人も為替取引ができるようになりました。

その法改正を受け同年10月には、ひまわり証券が「マージンFX」という日本で初めてのFXサービスを開始し、国内FXの歴史的な1ページ目を飾ることになります。

しかし、そのサービス内容をみると、口座を開くには最低300万円が必要とされ、取引単位も10万通貨と、一般の会社員や主婦が気軽に始められる内容ではありませんでした。

また、注文方法も電話注文だったため、利便性も今とは程遠いものだったのです。

 

悪質業者の横行

2000年代初頭  インターネットの急速な普及
2000年代初頭 悪質業者が参入、様々な事件が発生

外為法が改正され、日本にFX取引が誕生するまでの歴史をみてきましたが、FX業界はその後順風満帆に発展し今日の姿になったわけではありません。

次は、FX業界が迎える受難の歴史について勉強していきましょう。

悪質業者の参入

2000年代に入り、インターネットが企業や一般家庭に急速に普及していきました。

このため、FX取引に関する情報や話題もネット回線を通じて拡散していくことになります。

特に、従来主流だった株式投資と比べて短期間で稼ぐことができるとの口コミや噂が広まり、FX人気が急速に高まっていくことになりました。

FX人口の急激な拡大に伴いサービス提供を行う企業も増え、2000年代初めのFX業界は活気を帯びていましたが、ここに困難な問題が発生してきたのです。

それが、悪質業者の参入、およびそこから引き起こされたトラブルです。

発生した様々な問題

FXがあまりにも急速に普及したため、この2000年代初頭の時代は、業界に対する国の監督や法整備が追いついていませんでした。

そのような中、業界に参入した悪質業者により、次のような様々な事件やトラブルが発生したのです。

  1. 顧客資金の持ち逃げ・流用
  2. 出金依頼になかなか応じない
  3. スリッページ詐欺
    →注文価格で約定せず、故意に遅らせて顧客に不利な価格で約定する
  4. スプレッドを常識外に高くする

このようなトラブルが社会問題化してきたため、国が本格的に対策を始めることとなります。

 

取り締まり強化、悪質業者の排除へ

2005年7月 金融先物取引法の改正
2009年4月 信託保全の義務化

FX業界に悪質業者が参入することにより、様々な事件やトラブルが社会問題化していった歴史をみてきました。

これらに対し、国はどのような対策を講じたのでしょうか。

次は、国が行った規制対策の歴史を学んでいきましょう。

金融先物取引法の改正と信託保全の義務化

FX業界に様々なトラブルを引き起こした悪質業者を排除するために、2005年に改正された金融先物取引法により、以下のように規制がかけられました。

  1. FX業者の審査・登録を義務化
  2. 自己資本の規制
    →FX業者は、「自己資本規制比率」(企業財務の健全性を測る財務指標)を一定以上に維持することを義務化
  3. 外務員の登録を義務化
  4. 営業・勧誘行為について一定の規制

また、2009年4月には、顧客資金の信託保全が義務化され、FX業者は顧客から集めた資金を自社の資産と区分して、金融機関に信託保全しなければならないこととされました。

取り締まりの強化による業界の変遷

①のFX業者の審査・登録を義務化することにより、審査に通過できない悪質業者は排除され、②自己資本の規制により、業者の財務体力も強化されていきました。

また、③外務員の登録を義務化④営業・勧誘行為についても規制され、質の悪い営業員によるしつこい勧誘も減っていったのです。

さらに、信託保全が義務化されたことにより、FX業者が経営破綻した場合でも、顧客資金は守られ、取引の安全性が向上することになったのです。

このように悪質業者が排除された結果、健全・優良な業者が中心となりFX業界を牽引することで、これまでの無秩序だった業界は、顧客の獲得に向けサービス内容の改善・充実を図り、お互いが競争を行う時代に突入したといえます。

 

2度のレバレッジ規制

2010年8月 レバレッジの規制(最高50倍)
2011年8月 レバレッジの規制(最高25倍)

国の規制強化により悪質業者が排除され、FX業界の体質が改善された歴史をみてきました。

その後業界は、国によるレバレッジ規制の時代を迎えます。次はその歴史を学んでいきましょう。

レバレッジ規制の背景

これまでみてきたように、FX業界は健全な方向に生まれ変わりを図っていきましたが、まだ大きな問題が残っていました。

FXは少額の資金を大きく膨らませて投資できる「レバレッジ」の仕組みを取り入れています。

このレバレッジは当時まだ規制がかけられていなかったため、数百倍でトレードができる業者も存在しました。

このため、FX上級者だけでなく初心者も含め高倍率のレバレッジでトレードを行うことができたのです。

当然、FXの知識が乏しい初心者が一攫千金を夢見るために、高倍率のレバレッジを用いて失敗し大きな損失を被る例も多くありました。

また、FX業者側も、顧客が証拠金を超える損失を抱えた場合に未収金が発生する危険やカバー取引に出さない未カバーポジションで損失が発生するリスクがありました。

こうしたことから国は、投資家を保護するとともに、FX業者の決済リスクを抑えることを目的として、FX業界や投資家の反対意見がある中、レバレッジの規制に踏み切ったのです。

レバレッジ規制の反響

2度にわたりレバレッジが規制された結果、FXではレバレッジが最高25倍までの範囲でしか取引ができなくなりました。

この規制により、それまでハイレバレッジを売り物にしていたFX業者で、撤退を余儀なくされたものもありました。

その結果、業界全体がレバレッジ以外のサービス(スプレッド縮小、取引単位の引き下げ、キャンペーンによるキャッシュバックなど)を充実することで、顧客の確保を図っていくこととなったのです。

一方の投資家側では、FX最大のメリットであるレバレッジが規制されたことで、取引の魅力が大きく減ってしまったとの否定的な反応が多くありました。

そして、FXにハイレバレッジを求める投資家は、まだレバレッジ規制の緩い海外に目を向けました。

海外FXでは、日本よりもレバレッジの規制が緩く、数百~1,000倍で取引できる業者が存在しています。

したがって、このような投資家の多くは、ハイレバレッジの海外業者でトレードを行っています。

 

FX業界の現状とこれから

はじネコ
なるほど、FX業界ってこういった歴史を歩んできたんですね。
せんせえ
そうだね。さ、過去はこれくらいにして未来についても見ていきましょうか。

FX業界の現状

これまでの歴史や経緯を踏まえると、国内FX業界の現状を次のように捉えることができます。

  • FX業界全体のモラルが向上し、経営的にも健全性が備わってきた
  • FXは、富裕層以外の一般の会社員や主婦・学生に至るまで、投資人口のすそ野を広げる原動力となっている
  • 低モラル、財務体質が弱い業者の淘汰は、依然として続いている。

昨今のFX業界は顧客確保のため、スプレッド縮小・取引単位の引き下げ・スマホを中心とする取引ツールの充実・キャンペーンによるキャッシュバックなど、サービス品質の向上・改善の競争が激しさを増しており、そこに乗り遅れた業者は淘汰されていくという動向が見られます。

その結果、GMOクリック証券DMM.com証券、外為どっとコムの3強とその他数社の有名業者への集約化が進んでいます。

このような動向は、FX業界の体質を強化する上では必然的な流れであり、サービス品質の向上・改善は顧客にとっても大きなメリットといえます。

以上のように、業界自体の体質改善が進むとともに、投資世界と家庭・一般社会の距離を縮める投資改革の原動力となっていることは、FX業界の将来にとっては明るい材料であるといえます。

現在、FX業界が直面している最大の課題は、一般大衆の投資意欲・関心をいかに集め繋ぎとめるかということです。

中でも、最大のライバルが仮想通貨投資です。

仮想通貨は、その値動きの激しさや通貨そのものの将来性から、投資・貯蓄の両面で個人投資家のニーズを満たし、将来的には機関投資家の参入も十分に予想できる無限の可能性を秘めた分野です。

仮想通貨投資は今後一層拡大していくと見込まれることからも、これまで成長を続けてきたFX業界は、仮想通貨業界との競争という最大の課題を迎えているといってよいでしょう。

今後のFX業界

国では、レバレッジを10倍に引き下げる規制内容が検討されてきましたが、当面は現行のまま据え置かれるとの流れになっています。

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しかし、レバレッジ倍率の規制には依然として積極的な意見もあることから、これまでの歴史を踏まえると、将来的にさらなる規制強化がなされる可能性も否定できません。

今後、レバレッジ倍率がさらに規制強化されるとハイレバレッジを利用する傾向が強いスキャルピングなどの短期トレーダーを中心に、顧客離れが進む可能性は否定できません。

近年は通信技術や業者システムが進化したこともあり、短期売買が増える傾向にあります。

そうした中で一層の規制強化が行われれば、業界のダメージは相当大きいものがあると予想ができます。

将来的に、レバレッジ規制が強化された場合は、海外へ活路を求めるFX業者も出てくる可能性があります。

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また、FX業者に対しては、経営破綻防止の観点から、リスク管理の徹底や財務体質の強化に向けた規制が一層強まっていくと予測され、業者側にはその対応に要する経済的・人的な負担がかかっていきます。

さらに、他の投資ジャンルとの関係では、今後も一層高まっていくと予想される仮想通貨投資の人気に勝っていくことは、FX業界の努力や工夫だけでは難しいと予測されます。

そのことからも、業界としては仮想通貨投資と一線を画して対決するよりも、共存の道を選択することが考えられますね。

FX業界には通貨を専門に扱い、相場にも深く関与してきた多くの実績やトレードに関する豊富なノウハウがあります。

仮想通貨業界に新規参入するなら、他の業種と比べFX業界が最も有利な立場にあるといえます。

業界では、すでにGMOやDMMグループで仮想通貨売買の法人を立ち上げ、FXと仮想通貨両方のサービスを提供している例もあります。

近い将来、FX取引と併せて、仮想通貨売買を提供サービスの一環に加える業者が増えていく可能性はあります。

以上のように、レバレッジ規制を含めた新たな規制強化、FX業界内部のサービス競争、仮想通貨業界との競争や新規参入など多くの課題が想定されますが、それにうまく対応できない業者は淘汰され、業界の再編が一層進展することも視野に入れておく必要がありそうです。

 

まとめ

FX業界やその取引の仕組みがどう成り立ってきたのか、その歴史を振り返ると、その誕生から20年という短い期間に多くの出来事があったことに気づき、驚かされますね。

FXの歴史は、業界の正常な発展に向けた「試行錯誤の歴史」であると同時に、「挑戦の歴史」であるといえます。

その歴史には、将来FXが老若男女を問わず多くの人を惹きつけ、より安心・安全な投資手段になるためのヒントが隠されています。

これを契機に、その歴史を学び直し一緒にヒントを掘り起こしてみませんか。

記事下

 


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マネフルは、FX歴11年のトレーダーが監修するFX初心者向けメディアです。FXってなに?どう勉強すればいいの?おすすめのFX会社は?などをゼロから解説します。

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