
FXを始めようと思った時に、最初に目につくよくわからない専門用語「スプレッド」。
スプレッドは、FXにおける取引コストのことで、トレーダーがFX業者を選ぶ際の最重要項目に挙げているものです。
トレードに大きく関わってくるため、しっかり理解しておかないと損するかもしれません。
今回はこのスプレッドについて解説していきます。
目次
スプレッドとはFXの実質手数料という意味
スプレッドとは、売値(bid)と買値(ask)の価格差のことです。
ほとんどのFX会社では手数料が無料になっているので、FXにおいてはこのスプレッドが実質的な手数料のようになっています。


よくニュースなどで「1ドル=115円24~48銭」と表示されているのを見かけますよね。
この意味は「売値が115円24銭、買値が115円48銭」ということです。
このように為替レートには買値と売値の2つが存在します。
銀行で外貨を交換する時、外貨を購入する時の価格TTSと、外貨を円に交換する時の価格TTBがありますね。それと同じようなことです。
上の画像だと、米ドル/円(USD/JPY)の、BID(売り)が113.437で、ASK(買い)が113.440です。
いまこのレートでドル円を買って、すぐに決済したとしても0.3銭分だけ損をすることになります。
買って2秒で売っても、このようにスプレッド分はマイナスになります。
つまり、FXで利益を出すには、最低でもこのスプレッド分以上の利幅を取らないといけないのです。それ以下の利幅だと、スプレッド負けして損してしまうことになります。
買値と売値が一目でわかる「2Wayプライス」
2Wayプライスとは、売り値と買い値の両方のレートを同時に表示することを言います。
先ほどの画像のように、一目で売りと買いのレートが確認できてとても便利ですね。
個人投資家たちはこの2Wayプライスによるレートを見ながら売買をします。
2Wayプライスがあるから個人投資家たちは安心して取引をすることができるのです。
もし売りか買い片方のレートしか表示されていなかったら、少しくらい決済レートをごまかされても分かりようがないでしょう。
2WayプライスはFX会社が不当な利鞘を抜いていないことの証明なのです。
ドル円のスプレッド0.3銭がいくらかは通貨単位で異なる


0.3銭は「3円の1,000分の1」と非常に低い桁数ですが、多くのFX会社では最低取引単位を1,000通貨または10,000通貨としています。
なので実質的な取引手数料は「1,000通貨で3円」「10,000通貨で30円」となります。
取引する通貨単位 | 0.3銭が何円か |
---|---|
1万通貨 | 30円 |
1000通貨 | 3円 |
100通貨 | 0.3円 |
1通貨 | 0.003円 |
大手FX会社の「DMM FX」や「GMOクリック証券」は最小取引単位を1万通貨としていますので、その場合はドル円取引にかかる最低コストが30円ということになります。
しかし、最近は「ヒロセ通商」や「外為オンライン」のように1000通貨で取引できる業者も多く、その場合のドル円最低取引コストは3円です。
「銭」と「pips」の違い


米ドル/円やユーロ/円といった日本円が絡む通貨ペアは1銭(0.01円)=1pipsです。
ユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルといった日本円が絡まない通貨ペアは0.0001ドル=1pipsです。
「銭」だったり「pips」だったりで戸惑ってしまうかもしれませんが、FX会社がよくスプレッドの単位で「銭」を使うのは、その方が日本人にとって馴染みがあるからでしょう。
日本円が絡まないユーロ/ドルやポンド/ドルは1銭ではなく、1pipsと表記されます。
参考記事FXのpips(ピップス)とは?1pipsはいくら?損益の計算方法
この「銭」と「pips」では損益の計算方法が若干違ってくるので、それについても見ていきましょう。
スプレッドの計算方法
スプレッドの金額がいくらになるかを計算する方法はとても簡単です。
取引する通貨単位とスプレッド(pips)を掛け算するといくらになるかが計算できます。
スプレッド0.3銭のドル円を1万通貨取引した時の実質コストは次のようになります。
10000通貨 × スプレッド0.3pips = 取引コスト30円
スプレッド1.0銭のポンド円を10万通貨取引した時の実質コストは次のようになります。
100000通貨 × スプレッド1.0pips = 取引コスト1000円
ユーロ/米ドルなどの日本円を介さない通貨ペアの場合も計算方法は同じです。
しかしその場合、0.0001ドル=1pipsのため、その時の米ドルレートによって少し計算結果が変わってきます。
例えば、1ドル110円のときだと、
110.00円 × 0.0001ドル = 0.011円
1pips=0.011円
ですね。
スプレッド1.0pipsのユーロ/米ドルを1万通貨取引した時の実質コストは次のようになります。
10000通貨 × 0.011円 = 取引コスト110円
原則固定・変動制の違いとスプレッドの拡大
原則固定と変動制の違い


スプレッドには「固定スプレッド」と「変動スプレッド」の2種類があります。
◆固定スプレッド
原則的に常に固定のスプレッドで取引が可能というものです。
安定して使いやすいのは固定スプレッドのFX会社です。
多くのFX会社ではこの固定スプレッドを採用しています。
◆変動スプレッド
スプレッドが固定されず常に変動しています。
気になってトレードに集中しづらいかもしれません。
相場が安定している時には、スプレッド0銭やマイナススプレッドなど、固定スプレッドの業者では出せないほど狭いスプレッドになることがあります。
スプレッドは早朝や指標発表時に広がる
多くのFX会社が原則固定スプレッドを採用していますが、指標発表や為替相場の急変動時には、スプレッドが広がってしまう傾向にあります。
特にスプレッドが広がりやすいのは、早朝と重要な経済指標の発表時です。
普段はスプレッドが0.3銭なのに1.0銭やそれ以上になっている、ということが多々あります。
流動性が低い早朝6時ごろやクリスマス相場、米国雇用統計や政策金利発表などの重要指標時はスプレッドの広がりに注意です。
実際にどれくらいスプレッドが広がるかは「人気FX業者9社をスプレッドが広がる早朝、指標時で比較してみた」で検証していますのでご参考ください。
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スプレッドがFX会社によって違う仕組み


FX口座を開設しようとした時に、FX会社ごとにそれぞれ提示しているスプレッドが異なることに気づいたと思います。
それは先ほど挙げたようにスプレッドの大きさはFX会社の利益に直結するからです。
またスプレッドの狭さは、個人投資家がFX会社に最も求めるものです。
取引回数が増えれば増えるほど、スプレッドの差は個人投資家に重くのしかかってきますし、短期の取引になるほど、スプレッドが狭い方が利益を上げやすくなります。
スプレッドが狭いFX会社=個人投資家に人気がある
と言ってもいいでしょう。
FX会社は顧客を確保するため自身のセールスポイントとして、多少の身を削り狭いスプレッドを提供しているのです。
狭いスプレッドを提示しているということは、多くの顧客を抱えていて、日々大量のボリュームの取引があるFX会社であるということが言えます。
初心者はスプレッドの狭いFX口座を選ぶのがおすすめ
スプレッドとは買値と売値の差額のことで、このスプレッドが狭いほど取引コストが小さいということになります。
スプレッドはFX会社や取引する通貨ペアによってそれぞれ異なります。
なので個人投資家にとっては、このスプレッドが狭さがFX会社を選ぶ一つの基準になります。
スプレッドの広いFX会社を選んでしまうと、トレード回数が多くなればなるほど売買コストが増えて個人投資家の大きな負担となってしまいます。
これから投資を始める初心者の方はスプレッドの狭い業者を選択することが、賢いFX会社選びとなるでしょう。
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