この記事でわかること
- FXの「複利運用」とは何か
- FXの複利運用が成功しない3つの理由


この記事では初心者向けに「複利とは何?」っていうところから、複利が成功しない人にありがちな理由についても見ていくよ。
複利と単利の違いって?
複利とは?
複利とは、元本と前についた利子を合わせた金額に対して利子がつく計算方法です。
つまり出た利益をそのまま再投資したとして計算する方法です。
例を出すと、100万円の元本があるとします。
年間利回りは30%とします。
すると1年後の資産は100+(100×0.3)の130万円です。
2年後の資産は130+(130×0.3)の169万円となります。
3年後の資産は169+(169×0.3)の220万円となります。
単利とは
逆に、元本だけに利子がつく計算方法を単利と言います。
こちらも例を出すと、100万円の元本があるとします。
年間利回りは30%とします。
すると1年後の資産は100+(100×0.3)の130万円です。
2年後の資産は130+(100×0.3)の160万円となります。
3年後の資産は160+(100×0.3)の190万円となります。
複利と単利ではその差が220-190=30万円となります。
複利と単利の違いが一目でわかる計算表
では仮に1日1%の利益を出したとして、それを続けたら金額はどのように増えていくのでしょうか?
以下の表は100,000円を元手に1日1%の複利で運用した場合、複利と単利でどう異なるかを比較した表です。
経過日数(日) | 複利運用の場合(円) | 単利運用の場合(円) |
---|---|---|
- | 100,000 | 100,000 |
1 | 101,000 | 101,000 |
10 | 110,462 | 110,000 |
20 | 122,019 | 120,000 |
60 | 181,670 | 160,000 |
120 | 330,039 | 220,000 |
240 | 1,089,255 | 340,000 |
480 | 11,864,773 | 580,000 |
620 | 47,780,616 | 720,000 |
695 | 100,775,458 | 795,000 |
運用1日目での資産1%増加は1,000円です。
運用1か月後の資産は22,019円増加の122,019円です。(1か月の取引日数を20日で計算)
これで1年間運用すると、資産は1,089,255円になります。
単利運用の場合、この時点での資産は340,000円です。
つまり、1年目終了の時点で複利運用は単利運用の約4倍の利益を出せるのです。
この運用をずっと継続できると約3年4カ月で資産は1億円を超えることになります。


複利運用で毎日10pips取ればすぐに1億円達成!?




詳しくは「FXのpips(ピップス)とは?1pipsはいくら?」をご覧ください。
さて、「FXは複利で資産がどんどん増える!」と言う話を、FXでトレードしている方なら一度は見たり聞いたりしたことがあると思います。
「1日にたった10pips」を取り続けるだけで複利効果でどんどん利益が伸びていきます、と。
しかし、複利で増やし続けるというのは色々と大変ですし、まして「毎日確実に10pips取る手法」なんてなんぼ探しても無駄です。
本を何百冊読んでも、どれだけインターネット中駆け巡ってもないです。
ないもんはないです。
ですが、複利でコツコツと増やしていけば、いずれ資産1億円を超えるということは夢物語でありません。
1日10pipsという安直な答えは捨てて、実際に資産を増やしていくためには何が必要かを見ていきましょう。
複利でうまく資産を増やせない3つの理由と解決策
複利でお金を増やし続けるということは、安定してFXで勝ち続けるということです。
これは初心者にとって簡単ではありません。
1.「勝てる手法」が見つかっていない
FXでトレードをするならまずは手法です。
どんな風に利益を出すかということですが、これがまず第一のハードルになります。
当たり前ですが勝てないとお金は増えません。
FXで継続して勝っていくにはいくつか条件があります。
- 必勝法を探さない
- 手法の検証をする
- 勝てるFX口座を使う
必勝法を探さない
まずは必勝を追わないことです。
勘違いしがちですが「勝てる=負けない」ではありません。未来永劫負けない方法などあるわけがないし、仮にあったとしても簡単に手には入らないでしょう。
そんな手法を探すことに時間をかけるのではなく、いかに負けることと上手に付き合うかが最終的に勝つことにつながってくるのです。
ここで重要なのは「勝率」「利益確定幅」「損切り幅」の3つです。
投資はこの3つのバランスで、勝てるか、負けるかが決まります。
負けないようにではなく「トータルで勝てるバランス」を見つけましょう。
手法の検証をする
まだ手法が定まっていない人は必死にテクニカル分析を勉強してください。
そして、自分のライフスタイルに合った優位性のありそうな手法を見つけ出してください。
良さそうな手法が見つかったら、ちゃんと機能しているのか検証してください。
「検証」とは、手法とルールを過去データに当てはめてみて、そこそこいい結果が出るかどうかをチェックする作業です。
検証する場合は、1ヶ月ごとに結果を出してみてください。
この時点では1年のうち3~4ヶ月くらいなら負ける月があっても問題ないです。
ちゃんとトータルで勝てそうなのか、最悪どれくらい負けが続く可能性があるのかを理解しておきましょう。
参考までに、実際の勝ち組トレーダーの手法を解説した記事を紹介します。
勝てるFX口座を使う
「FX会社はなんとなく決めたけど今のところでいいんじゃないかなあ」と思ってませんか?
どのFX口座を利用するかでトレード成績は大きく変わります。
スキャルピングやデイトレードの短期トレード中心の人なら、スプレッドが少しでも狭い方が良いですし、約定力が高いことも必須条件です。
逆に、長期のトレードをする人には、プラススワップが1円でも高い業者、マイナススワップが1円でも軽い業者を選ばないといけません。
勝つためのFX口座は次の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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FX口座おすすめランキング!初心者向け業者比較【プロトレーダー監修】
FXで勝ちたい初心者必見!プロトレーダーが選んだ本当にオススメのFX会社をランキングで紹介!スプレッド、約定力、取引ツール、スワップポイントなどを基準に、人気FX会社20社を…
2.継続して同じルールでトレードできない
「ついつい暇でポジションを持ってしまう・・・」
「予定よりだいぶ早めに利食いしてしまった・・・」
そんな人は少なくありません。
「ルールを守る」ことは手法を探したり作ることよりももっと大変なことです。
どんなに優れた手法でも実際にトレードして稼げなければ意味がありませんし、実際にトレードして稼ぐためにはトレードルールを守らなければなりません。
トレードルールが守れなくなる原因には次のようなものがあります。
- 目先の利益に惑わされてしまう
- 金額が大きくなるとビビってしまう
目先の利益に惑わされてしまう
ルールを作ることは簡単でも、守るのは難しいものです。
FXではお金がかかっているので目先の利益に惑わされて余計にルールが守りにくくなっています。
ルールを守れるようになるためには時間をかけて、少額トレードからでもトレーニングするより他ありません。
デモトレードでもいいですが、あれは真剣さが全然出ないので恐らくトレーニングになりません。
複雑なルールになればなるほど継続が難しくなってしまうので、最初は手法もルールも簡単なものにするべきでしょう。
ルールを守れなければ稼げない、つまり「複利でお金を増やす」という夢は崩壊します。
金額が大きくなるとビビってしまう
取引ルールを守り、複利を使い順調に資産を増やすことができても、金額が大きくなるにつれて精神が不安定になってしまい、思うような取引ができなくなってしまいます。
金額の大小に揺さぶられない強い精神力があれば大丈夫ですが、ほとんどの人は指先一つで多くの金額が動く初めての体験に平常心ではいられなくなるでしょう。
これを克服しなければ複利で増やし続けることはできません。
金額にビビらなくなる方法は、単純に慣れるか、ビビらない取引額まで下げるかしかありません。
どれくらいまでなら平常心でいられるのか、自分のキャパシティをしっかり把握しておきましょう。
3.それでも思ったように資産が増えていかない
- 複利のグラフは絵空事
- FXは大損してからがスタートライン
複利のグラフは絵空事
FXの複利の記事を読むと「1日5pipsだけとればいい」「1日10pipsで終了すること」と、少ないpipsを獲得するだけでよくて簡単そうに見えるかもしれません。
特に、FXを始めてなかなか思うように稼げていない方にはものすごく魅力的に見えることでしょう。
しかし、複利の記事でよく見る途中からガンガン増えていくあの曲線グラフは全勝している場合のグラフであることが多いです。
全勝=負けないということ。
そんな方法はありません。
毎日同じだけ勝ち続けるというのはプロトレーダーでもできません。
実際に複利のグラフで思い描いているよりも、さらにゆっくりな曲線になると思っておいた方がいいでしょう。
FXは大損してからがスタートライン
投資で失敗せずに成功した人はおそらくいないと思います。
成功するためには「これをやったら痛い目を見る」というのを自分で体験しなければいけません。
そしてほぼ全員が、わかっていても失敗して大損をします。
残念ながら皆さんもそうなることは既定路線なので、大事なのは「どれだけ失敗時の損失を少なくするか」です。
大きな資金で始める人ほど大きなダメージを受けます。
失敗時の損失を少なくするためには、少ない金額で投資を始めるしかありません。
少額でトレード可能な業者は次の記事をご覧ください。
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年間トータルでプラスであれば良しと考える
一言で「複利で増やす」と言っても、実際にはそう簡単に増えないことがおわかりいただけたでしょう。
複利でお金を増やすことは全く不可能というわけではありませんが、それなりの努力と時間が必要なのです。
この結論を聞いて、そこでやめてしまうのはとても簡単なことです。
しかしながら、仕事の給料だけですべてを賄うのはなかなか難しい世の中になってきました。
給料一本ではなく、他にも収入口があった方がいいと私は思います。
お金を稼ぐのはどんなことでも楽ではありません。
それはFXでも同じことです。
FXは簡単ではありませんが、しっかりと抑えるところを抑えて継続すれば稼げる可能性は高くなります。
全ての月でトータルで勝てるような完璧を目指さなくても大丈夫です。
1年トータルで勝てばいいと、月単位の負けを受け入れましょう。
負けない手法はありませんから。