


最近では「1000通貨単位(約4,000円)」からの取引が可能なFX業者が増えました。
これらの少額投資が可能な業者が増えてきたおかげで、初心者にとってFXの敷居はかなり低くなっています。
といった広告に魅力を感じてFXをはじめようとしている方も多いかと思います。
しかし、『少額で取引可能!』というのは、あくまで「最低限の取引ができるだけ」です。
投資として考えると非常に非効率な方法で、少額から元手の資金を増やして億トレーダーなんてのはほぼ夢物語なので現実を知りましょう。
この記事では、「FXで元手1万円から成功して利益を増やすのが99%無理な理由」を初心者にもわかりやすいよう丁寧に解説していきます。
1万円から始めるFXでは利益が上がらない2つの理由
資金1万円程度から始められるFXで利益を増やすのが無理な理由は、以下の2つです。
- 1,000通貨の取引は利益が少ない
- 資金が少ないほど損をする確率が高い
では、ここからはこの2つの理由をそれぞれ詳しく説明していきますね。
理由1:1,000通貨の取引は利益が少ない
FXでは、一度にどれだけの枚数を取引するかという取引数量の大きさで利益が変わる仕組みです。
1pips(1銭)あたりの利益と取引数量の関係は次のようになります。
取引数量 | 1pipsあたりの利益 |
---|---|
100,000通貨 | 1,000円 |
50,000通貨 | 500円 |
10,000通貨 | 100円 |
5,000通貨 | 50円 |
2,000通貨 | 20円 |
1,000通貨 | 10円 |
1,000通貨のポジションを持つのに用意しなければならない資金(必要証拠金)は次のようになります。
最大レバレッジは25倍なので、米ドル/円の場合は1ドル100円とすると4,000円です。
1,000通貨×100円÷25倍=4,000円
4,000円用意すれば1ポジション保有できて、1pips(1銭)の値動きで約定すれば+10円か-10の損益になります。
つまり、短い期間で大きな利益を狙いたければ、取引数量を増やすか複数のポジションを持つ必要があるのです。
しかし、少ない資金で取引をしている人はこれができません。
そもそもの必要証拠金が足りていないからです。
理由2:資金が少ないほど損をする確率が高い
取引数量を増やせば、1回あたりの利益が大きくなることがわかりました。
しかし、取引数量を増やすためには、それに応じた資金(必要証拠金)が必要です。
そこで、FXには少ない資金で取引を可能にできる「レバレッジ」という仕組みがあります。
このレバレッジを大きくすると、少ない資金で大きな数量の取引が可能になります。

と思う方もいるかもしれませんが、レバレッジには次の2種類あります。
最大レバレッジ
通貨ペア毎の想定元本(本来の取引額)と必要証拠金(投資する金額)との割合のことで、FX業者が決めるもの
実効レバレッジ
全てのポジションの想定元本(本来の取引額)と有効証拠金(預託金+評価損益)の割合のことで、取引数量と預託金で調節可能なもの
最大レバレッジは、個人口座の場合は最大25倍までと規制されていて、FX業者が決める設定なので考えなくて良いです。
必要証拠金は時期や業者によって若干変わりますが、1,000通貨あたり4,300円〜4,500円程度と考えておけば大丈夫です。
FXをする上で常に気をつけなければならないものが実効レバレッジです。
実効レバレッジとは
想定元本と預託金+評価損益(その時の利益または損失)の比率のこと。
想定元本の例:米ドル/円の買ポジションであれば1,000通貨×その時の売レート
預託金の例:入金している口座資金10万円など
なので、実効レバレッジは為替レートの動きと口座資金によって、最大25倍~小数点以下の倍率まで変動します。
実効レバレッジが25倍に近いほど資金に余力がなくロスカットが近いことを意味し、25倍から遠いほど資金に余力がありロスカットが遠いことを意味します。
少ない資金だと損をする確率が高くなる理由は、そもそも預託金が少ないのでハイレバレッジになりやすくロスカットされる確率が高いことが主な原因です。(ロスカット前に自分で損切りする場合も含めて)
結論:資金には余力が必要!
結論としては、FXで利益を上げるには、ロスカットに耐えられるだけの資金に余力が必要ということです。
資金に余力を持ってロスカットに備え、なおかつ取引数量を多くし1回あたりの利益を上げるためには、預託金が少なくても30万円以上は必要になってきます。
月1万円の利益を出すために必要なpips数
参考までに、月1万円の利益を上げるには何回利益確定をしなければならないかを
取引数量1,000通貨~100,000通貨ごと、利幅1pips~20pipsごとに表にまとめました。
取引数量 | 1pipsの利確 | 5pipsの利確 | 10pipsの利確 | 20pipsの利確 |
---|---|---|---|---|
100,000通貨 | 10回 | 2回 | 1回 | 0.5回 |
50,000通貨 | 20回 | 4回 | 2回 | 1回 |
10,000通貨 | 100回 | 20回 | 10回 | 5回 |
5,000通貨 | 200回 | 40回 | 20回 | 10回 |
2,000通貨 | 500回 | 100回 | 50回 | 25回 |
1,000通貨 | 1000回 | 200回 | 100回 | 50回 |
これを見ると、1,000通貨、2,000通貨単位の取引で1万円の利益を出すことがいかに大変か分かると思います。
より具体的な取引のイメージをつかむため、実際のチャート画面も見てみましょう。
下の画像は、2017年9月21日の21時から23時頃までの米ドル/円1分足チャートです。
この日は未明の重要指標発表を終えて少し落ち着きを取り戻したレンジ相場で、この時間の高値安値は40pipsほどの値幅です。
月20日取引できるとすると、この日のこの相場で利確しなければならない目安は、20pipsを2、3回、または10pipsを5回、または5pipsを10回、または1pipsを50回程度となります。
当然勝てるときもあれば負けるときもありますし、安定してこれを継続することは、正直言って非常に難しいです。
月1万円の利益を出すのにも、元手10万円程度はないと厳しいのです。
FX初心者は資金があっても少額取引から始めよう
ここまで「少ない資金のFXでは利益が上がらない」と説明してきましたが、資金を十分に用意したとしても、初心者のうちは取引数量を少なくした方が良いです。
少額取引は利益が少ないのですが、その分、損失も少ないため精神的負担額が軽くなります。
そのため、最初に大きな損失を出してしまうと、肝心な時に怖くて投資ができないなどFXに重要な判断力が落ちてしまいがちです。
ですので、最初はデモトレードで取引方法や相場観、テクニカル分析の基本を学んでから、実際の取引をしてみるのも良いかもしれませんね。
FXの練習はデモトレードアプリがおすすめ!練習方法と無料デモ口座
もしまとまったFX資金が準備できないなら、FXするよりもバイトをした方が確実に大きな金額を貯金できます。
バイトをしながら、余った時間で1000通貨の取引を行って相場に慣れていくようにすれば、ある程度の元手ができる頃には多少FXのことがわかるようになっているでしょう。
くれぐれも「元手1万円から億万長者を目指す!」みたいなことはやめましょう。
1000通貨の取引が可能なおすすめFX業者は次の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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