

今回はそのスワップポイントについて説明するよ。
スワップポイントとは、国と国との金利差から得る利益で、低金利通貨(日本円など)を売って高金利通貨を買うと、金利差から得る利益を毎日受け取ることができます。
しかし、逆のトレードをしてしまうと(低金利通貨を買って高金利通貨を売る)金利差額を支払わないといけません。
FXのスワップポイントは外貨預金よりも利回りが良いので、資産運用先の一つとして取り入れている人も多いです。
この記事では、スワップポイントの仕組みや金利生活をするために必要なことを解説します。
スワップポイントとは?
スワップポイントで毎日金利がもらえる仕組み
冒頭で説明した通り、FXでは購入する通貨ペアによってそれぞれ違った金額のスワップポイントがもらえます。
アメリカドルの金利2.5%、日本円の金利0.1%の場合、米ドル/円を買うと、
2.5% - 0.1% = 金利差2.4%が毎日もらえます。
低金利通貨の日本円を売って高金利通貨のアメリカドルを買うとこんなにスワップポイントつきまっせ!の例ですね。


スワップポイントは、ポジションを保有した状態で日本時間の午前7時(サマータイムは午前6時)をまたいだ時にもらえます。
ちなみにスワップポイントの高いFX会社については「FX高金利通貨ペアの資産運用ランキング!高スワップポイント(金利差)おすすめ通貨はコレ!」をご覧ください。
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FX高金利通貨ペアの資産運用ランキング!高スワップポイント(金利差)おすすめ通貨はコレ!
この記事では、これからFXで長期運用を考えている人に役立つ、各国政策金利と各社スワップポイントのランキング、各国の通貨の特徴、賢くスワップポイントを稼ぐポイントを解説し…
売りポジションの場合は逆にスワップを支払う
スワップポイントを獲得にするには、「買う方の通貨が高金利であること、売る方の通貨が低金利であること」この条件が揃った通貨ペアを買えばいいわけです。
逆に、「米ドル/円下がりそう」と思って売りエントリーをすると、毎日スワップポイントを支払わなければなりません。


スワップポイント狙いのトレードは、ポジションを長期的に保有してコツコツと金利を積み立てることが目的です。
例えば、ヒロセ通商だとトルコリラ円(TRY/JPY)で1日にもらえるスワップポイントは83円です。(1万通貨)
しかし、1万通貨の買いポジションを持った場合、トルコリラ円レートが1pips(1銭)動くと損益は100円動きます。
1pipsの値動き > 1日にもらえるスワップポイントとなってしまうわけですね。


スワップポイント3倍デー


土日のスワップが一度に貰える曜日があるんだよ。
スワップポイントは毎日つくといっても、会社ごとにつくタイミングが違っています。
例えば、土日や祝日分もスワップはついてきますが、その権利が確定し口座に反映されるタイミングが会社ごとに少し異なります。
この休日分のスワップポイントも合わせて受け取ることができる日を「スワップ3倍デー」と言います。
ほとんどのFX会社では、水曜日がスワップ3倍デーになっています。


毎日のスワップポイントだけで生活するには


株の配当金生活と同じような感じです。
スワポ生活はレバレッジ低めを徹底すること

現在、クロス円で一番スワップポイントが高いトルコリラ円でスワポ生活していくには、いくら資金が必要なのかを見ていきましょう。
絶対条件として、急激な変動でロスカットされてしまわないために「レバレッジは高くても2倍程度、かつ資金を分散して常に証拠金に余裕を持った状態で運用する」ことが重要です。
例えば、1トルコリラ24円の時にレバレッジ2倍で買いポジションを持った場合、史上最安値を大幅に更新して1トルコリラ12円程度まで下落しない限りロスカットされることはありません。
しかし、そのような可能性もゼロとは言えないので、24円で全力買いすることはせずに、投下予定資金を複数回に分けて少しづつ買い下がりをすること。
また、レバレッジはできれば1.5倍くらいまでに押さえておくことが望ましいです。
スワップポイント(金利差)がいくら貰えるかシミュレーション
トルコリラ円で毎日得られるスワップポイントはいくらになるか見ていきます。
最も高いスワップポイントでトルコリラ円のスワップを計算した場合のシミュレーション予測をしてみます。
月30万円のスワップポイントを受け取る場合
例えば、1日のスワップポイントが100円、取引通貨量を100万通貨とした場合、1日で10,000円の金利が得られます。
そして、一カ月後に300,000円、一年後に3,650,000円得られることになります。
また、年間利回りは、1トルコリラを32円、スワップポイントを100円で計算した場合、約11.4%になります。
運用日数 | スワップポイント |
---|---|
1日 | 10,000円 |
1ヵ月 | 300,000円 |
1年 | 3,650,000円 |
3年 | 10,950,000円 |
5年 | 18,250,000円 |
10年 | 36,500,000円 |
月30万円のスワポ生活に必要な証拠金を計算する
レバレッジ2倍でトルコリラ円を1万通貨購入する場合、必要証拠金は約16万円です。
1トルコリラ32円 × 10,000通貨 ÷ 2倍 = 160,000
先ほど、月30万円のスワップポイントを受け取るには100万通貨が必要とわかりましたので、必要証拠金は約1600万円となります。
毎月に受け取りたいスワップの金額に応じて、もう少し細かく必要資金を見ていくと次のようになります。
毎月のスワップ | 必要資金 | レバレッジ |
---|---|---|
月50万円 | 約2656万円 | 2倍 |
月30万円 | 約1600万円 | 2倍 |
月20万円 | 約1066万円 | 2倍 |
月10万円 | 約533万円 | 2倍 |
ちなみに、銀行に預けていたらまずこんなに利息がつくことはあり得ませんし、外貨預金の利息に期待したいところですが外貨預金をするくらいならFXをやったほうがお得です。
参考記事外貨預金はおすすめしない!FXレバレッジ1倍と比較してわかる違い


スワップポイントのみ出金可能なFX業者もある


FX会社によってはポジションを決済しなくても貯まったスワップポイントだけを出金できるところもあります。ポジションを決済しないと出金できないようではちょっと面倒です。
せっかく良いチャンスまで待って買ったのにスワップポイントを引き出すためだけに決済してしまうと、すぐにポジションを持ち直したとしてもスプレッド分が新たにマイナスになってしまいます。
トレード前にスワップポイントのみ出金できるかどうかも是非確認してみてください。
スワップポイントのみの出金可能なFX会社では「DMM FX」「GMOクリック証券」「SBI FXトレード」がおすすめです。
FX会社 | スワップ 引き出し | FX会社 | スワップ 引き出し |
---|---|---|---|
GMOクリック証券 | ○ | セントラル短資 | ○ |
DMM FX | ○ | 楽天証券 | ○ |
外為ジャパン | ○ | FXプライムbyGMO | × |
サクソバンク | ○ | ヒロセ通商 | × |
マネーパートナーズ | ○ | くりっく365 | × |
SBI FXトレード | ○ | FXTF | × |
スワップ投資で成功するコツ


それでは損をしてしまいますぞ。
買いポイントまでしっかり待つ
スワップ運用においても「どこで買うか」は非常に大事なポイントです。
「スワップポイントで少しでもお金を増やしたいな」と思ったら、すぐに買いポジションを持つのではなく、まずはトレードの組み立てから始めましょう。
どの通貨だったとしても、ヘタなところで買ってしまうと含み損を抱える期間が長くなってり、最悪の場合はロスカットや損切りを余儀なくされます。
スワップポイントでもらった額などすぐに吹っ飛んでしまうでしょう。
例えば、豪ドル円(AUD/JPY)の場合、2010年〜2018年のあいだ安値72円、高値105円程度のレンジ内に収まっています。
もし豪ドル円が90円台後半にある場合、すぐには買わず、為替レートが下がってきたところから買い始める方がいいでしょう。
長期間保有することを踏まえて日足・週足などの長い時間足を見て、どこで買いポジションを持つか検討し、決めたところまでしっかり待ってから買いポジションを持つようにしましょう。
ポジションを複数回に分けて積んでいく(ドルコスト平均方)
一度に資金全額のポジションを取ってしまうとそれ以降身動きが取れなくなってしまいます。
そのためポジションを複数回に分けて積んでいく「ドルコスト平均方」がおすすめです。
引用:三菱東京UFJ銀行
そうすることによって、仮に購入時よりも為替レートが下がったとしても購入価格を平均化して平均取得レートを下げていくことができます。
スワップ利益もポジション構築も長期目線で見ていくことがスワップ運用で成功するコツです。
スワップポイントがマイナスに逆転するリスク


高金利通貨を買っておけば未来永劫ずっといくらかのお金がもらえると思っていませんか?
残念ながらそうではありません。スワップポイントは変動する可能性があります。
国の金利差が逆転しまった場合
オーストラリアドルと日本円を例に考えてみましょう。
現在、日本はゼロ金利、オーストラリアは金利1.5%です。
しかし、いずれ日本もゼロ金利を解除し金利を上げていくでしょう。オーストラリアの金利はここ数年で見ると現在の1.5%はとても低い水準ですが、今後さらに低くなる可能性も無くはありません。
もし、日本とオーストラリアで金利差が逆転してしまうと、スワップも逆転してしまう可能性が高くなります。
値動きの急変動でポジションが偏った場合
例えば、オーストラリアで大きな自然災害が起きてしまったり、リーマンショック級の経済ショックがあったとしたら、買いポジションを持っていても一時的にスワップポイントはマイナスになる可能性があります。
過去、大幅に円高になった局面では、買いと売りのスワップポイントが逆転した通貨ペアもあります。
FXだけではなく、投資にリスクはつきものです。
スワップポイント狙いで買いトレードをする際は、買いポジションを持とうと考えている通貨の国の政治情勢や、国の運営状況などに興味を持ち、知ることが大事です。
それでスワップポイントのマイナスを防げるわけではありませんが、知ることによって小さな損失のうちに逃げることができる可能性があるからです。