
とかよく聞くんですけど、そういうことホントにあるんですか?

気になる人もいるみたいだから今回は 「FXで借金になることはあるのか」 について説明するよ。
FX(外国為替証拠金取引)は、外国の通貨を売買することにより、為替差益を利益にすることです。
簡単に言うと、 日本のお金を外国のお金へ両替する ということですね。
これだけ聞くと

という疑問が浮かびますよね。
FXは危険ではありませんし、ギャンブルでもありません。
しかし、「FXで大損して借金してしまった!」
という話はたまに耳にすることがあると思います。
冒頭でも書いたように、 FXで借金になることはほぼありませんが、まれに実際なってしまうケースも存在します。
ということで、この記事では 「FXと借金の関連性」 について初心者でもわかりやすいように解説していきます。
目次
基本的にはFXで借金やマイナスにはならない
FXは「強制ロスカット」と「追証」という2つのシステムによって、借金やマイナスが生まれないような仕組みになっています。
まずは、この2つがどういったシステムなのかそれぞれ解説していきます。
FXは強制ロスカットで損失が限定されている
「強制ロスカット」とは、顧客の含み損が一定以上になるとFX会社が全てのポジションを強制決済するシステムです。
そのため、預け入れた資金以上に損することはほぼ無いのです。
強制ロスカットの基準は各FX業者によって異なりますが、いずれも証拠金維持率が100%以下などの定められた基準以下になると数秒〜数十秒程度で強制執行されます。
つまり、トレーダーは強制ロスカットが成立すれば証拠金だけは守られるので、元本を超えて借金になるケースはないのです。
FXのロスカットとはどういう意味?計算方法や強制決済基準など
証拠金維持率が低くなると追証が要求される
FX取引をする際、取引額に対しての4%は必要証拠金といって、FX会社に担保として預けなければならない資金となっています。
この4%の必要証拠金を守るためのシステムが強制ロスカットであるとは先ほど説明しましたね。
追証とは、追加証拠金の略で、強制ロスカットが起こる時間までに追加の入金をして証拠金が4%をまた上回ることができれば、ポジションの強制決済を免れることができるシステムのことです。
ロスカットされるまでの時間について
ロスカットで実際に強制決済されるまでの時間は各会社によって様々です。
例えばロスカットが執行されるまでの猶予が24時間ある会社だとして、その24時間の間に証拠金の不足分を超える金額を新たに入金すれば、強制決済から免れることができます。
ただ、追加の証拠金を入れてもなおレートが下がり続け、追加入金分も全て持っていかれることもあり得ますので、リスクを踏まえたうえでの入金が必要となります。
ここまでの説明で、追証とロスカットはトレーダーを守るためのシステムであるということがわかりますね。

借金になる要因の一つがレバレッジ

FXで借金になる要因の一つとして、「レバレッジ」の仕組みを頭に入れておきましょう。
この「レバレッジ」とは、取引会社に自分の資金を証拠金として預け入れることで、その証拠金の最大25倍の金額で為替取引ができるシステムのことです。
レバレッジの仕組みがよくわかるトレード例

例えば、いま手元に10万円あって、レバレッジを使わずに円をドルに両替したとします。
その時のレートが1ドル100円であった時、10万円=1000ドルに両替ができます。
買った後に1ドルが101円に上がり、その時にドルを売ると1000円の利益がでます。


例えばレバレッジを25倍にすると、10万円の資金が25倍で250万円持っていることになります。
その資金で、レートが1ドル100円の時に2500ドルに両替し、101円になる値動きがあると利益が25倍の25000円となるのです。
2010年までは日本のFX会社でもレバレッジを100倍や50倍と選ぶことができたのですが、現在では規制がかかっているため、個人口座では25倍までとなっているところがほとんどです。

10万円の資金でレバレッジ25倍分のドルを買ったとします。
ドルが5円の値下がりをしたとすると、損失は125000円となりますね。資金は10万円しかないので、25000円は元本割れの借金ということになります。


では、その最悪の場合とはどんなものなのか見ていきましょう。
FXで借金になる4つの理由と仕組み

強制ロスカットや追証などのトレーダーを守るためのシステムもあるのに、どうして借金をしてしまう人が出てしまうのでしょうか?
そこには次の4つの可能性があります。
- 自主的に借金をしてトレードしてしまう
- レートの急変動でロスカットが追いつかない
- 土日にポジションを持ち越して大きく窓開けした場合
- FX業者のシステムトラブル
自主的に借金をしてトレードしてしまう
借金してしまう人の大半は、自ら金融機関やカードローンに手を出してしまっています。

最初に述べたように、レバレッジによって手持の資金が多ければ多いほど大きい金額で取引ができるようになります。うまくいけば利益もどんどん増えます。
しかし、そう上手くいくわけではありません。
借りたお金を溶かしてしまい、返済のあてが無く路頭に迷う人もいます。
FXの借金パターン
10万円の資金しか持っていない人が100万円ローンでお金を借りて25倍の取引をしたとします。ドルが1円上昇すると25万円利益がでます。
資金さえあれば、うまくいけばどんどん利益を倍にできると考えた人たちは、それを期待してどうにか資金を調達しようと金融機関やカードローンに手を出してしまいます。
しかし100万円でドルを買ったとき、ドル円が99円に値下がりしてしまうと25万円の損失がでます。
手持ちの資金を借金で増やしていた場合、更に借金を増やしてしまうこととなりかねないのです。
実際に、自らお金を借りて全額溶かしてしまうパターンから、自己破産をする人や、会社のお金にまで手を出して捕まってしまうケースも珍しくはないのです。
レートの急変動でロスカットが追いつかない
損失が証拠金を超えたとしても、必ずしもすぐに強制決済されるというわけではありません。
ロスカットが執行されるまでの数秒の間に損がどんどん膨らんでしまうと、最悪の場合、借金を背負ってしまうことになります。
何十年に一度と言われるようなショック相場では、ものすごく急な値動きで本来ロスカットされる値を瞬時に通り過ぎ、ロスカットが遅れてしまったために借金になったという話もあります。
ただ、基本的にはショック相場でもロスカットが間に合わず元本を超えて借金になるようなケースはごく稀です。
いくつか例として、FX市場で起こった、恐ろしいショック相場をご紹介します。
2008年10月24日 クロス円大暴落
100年に1度の歴史的な大暴落と言われています。
リーマンショックから1か月あまり、金融危機や経済悪化懸念からドルやユーロが買われなくなり、行き場をなくしたトレーダー達がこぞって円を買い始めたことによりドル円、クロス円全てが急激に円高になりました。
たった1日で、ドル円は約7円、ポンド円は約20円の大暴落が起きました。
2015年1月15日 スイスフランショック
2015年1月15日にスイス国立銀行がユーロ/スイスフランの絶対防衛ラインであった1.20を撤廃すると突如発表した時の動きがこのチャートです。
この時ユーロ/スイスフラン相場はたった20分で約3800pipsの大暴落が起きました。
FXの単位pips(ピップス)とは?1pipsはいくら?損益の計算方法
このスイスフランショックの影響は大きく、特にユーロフランを主に取引する海外では倒産してしまった証券会社や、国内でも追証が払えずに自己破産をした人もいるようです。
私が知っている中でも最も酷い相場でしたが、これくらいの値動きでなければ元本以上の損にはそうそうならないでしょう。
土日にポジションを持ち越して大きく窓開けした場合
FXは平日24時間取引ができますが、土日は主要な市場が休みのため取引不能となります。しかし実際は中東などごく一部の小さな市場は営業をしています。
もし土日の間に何か突発的な重大出来事が起きた場合、金曜日の引け(最終)のレートと月曜日の開始レートでは大きくズレ(窓)が生じてしまう可能性があります。
元本を超えて借金になってしまうほど大きく窓開けすることはほぼありません。
ですが、もし週末に重大なイベント等があるとわかっているなら、ポジションを手仕舞いして持ち越さないことが重要です。
直近の大きな窓の例として、2017年4月24日はフランス大統領第1回投票の影響で1ユーロ117円から1ユーロ120円まで300pipsの窓が開きました。
EU離脱を掲げるルペン氏ではなく、残留派のマクロン氏が勝利したことで市場に安心感が生まれたためです。
FX業者のシステムトラブル
もしFX業者のシステムトラブルで取引不能になっている間にレートが急変したら、資金以上の損失になる可能性があります。
特に値動きが大きく荒れている相場では、FX会社のシステムにも通常以上の負荷がかかりシステムダウンしやすくなります。
ですが、システムトラブルが原因の場合は、FX会社の過失なので補填してくれる可能性もあります。

FXで失敗・大損した体験談
ここまで、FXで借金してしまうパターンについて解説してきました。
ここからはより具体的なイメージを掴むために、実際にあった「FXで失敗・大損した体験談」を紹介します。
46歳「スワップ狙いの取引がリーマンショックで大損失に」
過去、リーマンショックと言う金融危機があり、FX取引に対して損失を受けてしまいました。
その時、豪ドルを持っていたのですが、過去は豪ドル円が50円になったことがなかったため、万が一にもそのレートまでは下がるわけはないだろうと思っていてました。
しかし、その後、そこまで下落してしまい、
「一旦はこの状態だけれどもすぐに円安に触れる」
と思っていましたが、なかなか円安に戻らずにアラートや証拠金不足の通知が継続的にするようになり、結局は損失になってしまいました。
当時、いろんなFXでのサイトや個人ブログを参考にし、取引をするようにして、スワップだけで毎月30万円ほどの方のスワップ益を狙う取引をしている方を参考にしていましたが、その後は足取り無くなり、この人も損失を受けたんだなと思いました。
70歳男性「シグナル配信を信じて1000万円の損失」
FXのある商材を買って、それを全面的に信じてトレードをした結果、1000万円近い損失を招いてしまいました。
シグナル配信に従って、約一ヶ月ぐらいは順調でした。
ところが、その後、思わしくない状況になってきたのです。
商材提供者は、シグナルと逆方向に動いている相場状況に対して、もっともらしい理屈をつけて、必ず上昇に転ずるから今は我慢のしどころであるような言い方をしてきました。
でも、いっこうに下げ止まらず、4ヶ月ほど経った時に、有効証拠金の必要証拠金に対する比率が規定値以下になって、とうとう強制決済されてしまいました。
40歳「ギャンブル感覚でFXをしてロスカット」
アメリカの雇用時計発表の日です。それは自分にとっても初めてのことでした。
相場は動くと言われていましたが、自分の想定した以上のスピードで相場が動いて行ってしまい、いつかは戻るはずという甘い期待もむなしく、次の日の朝にはロスカットされていました。
そのときは調子に乗ってポジションも多く持っていたので、手持ちの金が一気に3万円程度になってしまいました。
結局そこからは、その3万が尽きるまで勉強代だと思って取引をしていましたが、それも数日で底をつく形になってしまいました。
やはり自分の反省点は投資なのに単なるギャンブル感覚で取引をしてしまったことだと思います。
借金しない方法4つ
FXで借金になってしまう可能性や体験談を見てきましたが、現実的なところでは
「ロスカットが追いつかない」
の2つが可能性としては高いでしょう。
「自主的な借金」は、自分で気をつけることでその可能性はゼロにできます。
気をつけなければいけないのは「ロスカットが追いつかないほどの急激な変動」にどう予測・対処するか、ということです。
そのための対応策を見ていきましょう。
余裕資金で低レバレッジのトレードをする
まず、投資の基本は生活に支障をきたさない余裕資金で行うものです。
そして、レバレッジを抑えて、証拠金に余裕のある取引をしていれば急な値動きでも借金になるという可能性はゼロに近づきます。
もし仮にレバレッジを1倍で取引していれば、どれだけ値下がりしようが借金にはなりません。持っている通貨が存在しなくなっても資金ゼロで収まります。
レバレッジ1倍だと外貨預金とあまり変わらなくなりますが、それでも為替差益や金利差によるスワップポイントを得られるので、長期投資をしたい人には向いている方法です。
いろいろな世界の動きや政策によって、為替は様々な動き方をします。
万が一、歴史的な大暴落の時にハイレバレッジで買いのポジションを持っていたり、長期投資でロングポジションを持っていたりする人は大きな損害を被ることとなります。
プロのトレーダーでも、暴落を予想することは難しいのです。
稼げるからと言って安易にレバレッジを上げた取引をするのは避けましょう。
メジャー通貨以外は取引しない
まだあまり相場のことがわからないFX初心者はメジャー通貨ペア以外取引しないことです。
おすすめするメジャー通貨ペアは、ドル円、ユーロ円、ユーロドルです。
なぜなら市場流通量の多いメジャー通貨ほど、一気に動かすためにそれだけ大量のお金が必要になるからです。
スイスフランはマイナー通貨ではないですが、ドル、ユーロ、円と比べれば流通量は遥かに小さいため、何か起きるとスイスフランショックのような急激な変動が発生してします。
初心者はマイナー通貨などの取扱には特に注意し、「高金利だから」という理由で、どういう背景があるのかも知らずに取引するものではありません。
大きなイベントの前はポジションを取らない・持ち越さない
世界が注目する大イベントでは値動きが急激に荒くなります。
例えば
2016年6月イギリスのEU離脱を決定づけたブレグジット投票
などは勝敗が明らかになるにつれて、ドル円・クロス円が大暴落しました。
事前に大きなイベントの日時がわかっている場合、その前後はポジションを持たない方が安全です。
【保存版】FX経済指標!重要度、カレンダーの見方など徹底解説
損切りを徹底する
自分が思っている方向に進んでいなかったら、即座に損切りを決断する勇気が必要です。
注文もまともにできないような急変動時はノーポジションこそ最強です。
仮に逆指値注文(ストップロス)を入れていたとしても安全ではありません。
強制ロスカットすら間に合わない急変動の前ではストップロスはほぼ無意味です。
(もしかしたらFX会社次第ではストップロスのレートで決済約定したことにしてくれるかもしれませんが)
また、例に挙げたようなショック相場は何の前触れもなく急に来るものではありません。
ほとんどの場合、チャート上に前触れの動きが現れ、その動きのトレンドが勢いづいた時や最終局面に起きるのです。
そのためポジションを持ったけど思った動きと違う場合は、ためらわずに損切りをするようにしましょう。
海外FXには「ゼロカット」というシステムも
ゼロカットシステムとは、預け入れた資金以上にマイナスになってもそれは払わなくて良いという仕組みです。
とても良い仕組みですが、基本的に海外FX業者のみのシステムで国内FX会社は採用していません。
海外ではレバレッジ規制がなく、ハイレバレッジが当たり前のためゼロカットがあるのです。
しかし、海外業者は国内FX会社のように信託保全が完備されていませんし、実態も怪しく、酷いところは出金もまともにできません。
そもそもの安全性や信用性が、国内FX業者に比べて圧倒的に低いのです。
国内会社で借金になる可能性よりも海外業者でトラブルに巻き込まれる可能性の方が遥かに高いのでこの方法はおすすめしません。
FX海外口座の危険性!メリット・デメリット比較でわかるハイリスクの理由
借金になってしまったらどうするか
借金になってしまわないためにどうすればいいかを見てきましたが、それでも万が一借金をしてしまったらどうすればいいのかを考えてみましょう。
コツコツ働いて返済する
まず、労働して借金の返済に充てていくのが基本です。
コツコツと少しづつでも返していくことが重要です。
逃げて踏み倒そうなどと考えると、取り立てにあって家族にまで迷惑をかけてしまう可能性があります。
また、投資で増やして一括で返済するという考えもNGです。
FXの失敗で借金を作ってしまったわけですから、崖っぷちの状態で再挑戦しても再び失敗する可能性が高いです。
どうしてもまた投資をしたければ、働いて借金を返す時間の合間に勉強して、完済し終わった時に今度こそ成功できるように準備しておきましょう。
どうしても返せない金額なら自己破産をする
借金の額が大きすぎて働いても一向に返済できないようなら、自己破産を考えてみましょう。
FXなどの借金は自己破産できないと言われていますが、よほどの問題がなければ免責が下りて借金帳消しにしてもらえます。
そのため、借金地獄で最悪の事態を考えてしまうくらいなら、債務整理に強い弁護士や法テラスに相談をしてください。
FXの借金で実際に自己破産をした人のインタビュー記事を作成しましたので参考にしてください。
FXで借金にならないためにやっておくべきこと
FXで借金をしてしまう仕組みがおわかりいただけたでしょうか?
初心者の方もプロの方も、FXをする上で大切なのは自分でリスクを管理する能力と、損をなるべく抑える方法です。
そのどちらも実戦の中で自分で気付き勉強するしかありません。
いざ取引を始めると、誰もトレードのタイミングなど教えてくれません。
とにかく実戦の経験をたくさん積んで何をすると損するのかを覚えましょう。
FXの実戦経験を積むには1000通貨以下の少額でのトレードがおすすめです。
1000通貨取引可能な初心者におすすめのFX会社
ということで、最後にFX歴10年の私が選ぶ 「1000通貨単位取引対応のおすすめFX会社」 を紹介していきたいと思います。